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世界一周からの挑戦!久野華子氏の努力の軌跡

INTERVIEW

皆さん、こんにちは。miyukaです。

本日は、バイリンガルという語学に特化した人材派遣サービス・マルチリンガルキャスティングを運営されている、株式会社トライフルCEO・久野華子氏と、ドローンジョやクラウドファンディングサービスKanattaを運営する株式会社AIR COO・井口恵(※2019年8月26日付で株式会社Kanattaへ社名変更、代表取締役に就任)の対談記事です。

リアルクラウドファンディングイベント表彰式にて、久野氏への花束贈呈の様子

久野氏のサービスは、創業わずか2年で1,000人、日本を含め20カ国に登録者を抱え、昨年度対比175%伸びで事業を拡張されています。また、2019年3月2日(土)にすみだリバーサイドにて行われたSDGs x リアルクラウドファンディングイベントpresented by AIRの優勝者でもあります。

※Kanatta主催のリアルクラウドファンディングイベントは、クラウドファンディングサービス「Kanatta」の起案者が登壇し、ご自身のプロジェクトに関してPR。それを会場、審査員と投票をし、投票数だけ実際のプロジェクトに課金されるイベントです。当日は約500名の参加者が集まり、学生ボランティアスタッフをはじめ、夢の実現に近づく瞬間を共にを楽しみました。

ぜひ、久野氏の現在のご活躍の背景にどのようなご経験があったのか、何を大事にして起業し、今に至るのか、本取材記事にてどうぞお楽しみください。

リアルクラウドファンディングイベント1位、おめでとうございます!

※以降、敬称は略させて頂きます。

久野:ありがとうございます!!正直、びっくりしました。

井口:どのようなお気持ちでしたか?

久野:エンタメ部門の候補者の方がステージでパフォーマンスをしていたのがとても印象的だったので、エンタメ部門の候補者が強いのかなと思っていたんです。でも、そういったパフォーマンスをしてなかった自分を選んでくださった方がたくさんいたので、本当に、女性の社会進出を応援したいと思っている方が多かったのかなと思いました。

オーディエンスが今まで自分がプレゼンしてきた人たちとは違ったのでとてもプレゼンしやすかったのも驚きでした。今までは、対クライアントや投資家向けのものが多かったので厳しい雰囲気でプレゼンすることも多かったのですが、今回は、応援したいっていう気持ちで来てくれる人が多かったと感じました。すごく共感してくれる感じがオーディエンスの方から伝わって、気負わずにプレゼンできたのがすごくよかったです。

井口:皆さんすごく集中して聞いてるなと思いました。

リアルクラウドファンディングイベントでのプレゼンテーションの様子

久野:実は、私はああいう場では緊張して話せないタイプでした。

井口:そうなんですね!

久野:前職のときに何回か話すような経験を頂いて、話せるようになってきたんです。無反応よりは反応がある方がこちらとしても話しやすいので、今回の会場はすごく話しやすかったです。

井口:応援に来てくださった方もいらっしゃいましたね。

久野:実はもともとは告知をしていなくて、当日告知したら来てくださったり、行ってるよお~って連絡がきたりして(笑)

井口:お子さんもいらっしゃいました!

久野:兄家族とスタッフ2人、姪っ子ちゃん3人も来てくれました。

リアルクラウドファンディングイベント審査員の方々

井口:出場してどうでしたか?

久野:プレゼン前に、たくさんの人にアドバイスをもらったのですが、プレゼンって本番に向かって短時間で努力をするので、出れば出るほど自分が成長できると思うんです。自分の中で整理ができていないと周りに説明ができないですから、自分のビジネスを見つめ直すいい機会にもなりました。

 

井口:1位になられた時に涙されていました。

久野:もう、すごい、嬉しかったです!!エンタメ部門が強いのかなって思ってたので、難しいかなと正直思っていました。なので、すごく嬉しかったです。

起業されたきっかけを教えてください。

 

久野:私は5年前まで普通のOLでWEBマーケターをしていました。WEBの戦略などを考える仕事で、サイトを運営していました。

大学は工学部で、最初はいろんな工業系の会社を見ていたのですが、やっぱりやりたいことが違って、当時の会社(株式会社ニッセン)を受けました。その会社のためだけに企業研究用のノートも作ったりして、やりたい思いとかすごくあったんです。

 

当時、リーマンショックでいわゆる「就職氷河期」と呼ばれる時代でした。だからニッセンに入るのにも結構大変で。10,000人くらい応募者がいて、20人しか採用されなかったんです。でも「インターネットからニッセンを変える!」と思っていたので、就活も頑張って、入社後も、社内面接で勝ち取って、入社前からずっと行きたかったWEBマーケティングの部署に無事入れたんです。だから、ニッセンでの仕事はとても思い入れがありました。

それこそ、ニッセンの家具で家の中を全部揃えたりして、ニッセンの企業特集があれば、私の部屋に取材が来るようになりました(笑)自分で買わないとわからないですから。

 

ニッセンは大好きで、当時一緒に働いていたメンバーとは今でも親交があるのですが、3年くらい経つと色んなことが見えてきて。

結局やめた理由は、女性特有の理由なのですが・・・

ニッセンは女性がすごく活躍している会社で、従業員も半分は女性、管理職の女性もいて、産休、育休も取れる会社なんです。でも、会社自体はそういう制度を整えてるけど、現実問題で管理職の女性は独身だったりお子さんがいらっしゃらなかったりしたんですね。

 

家庭を築いていくには、キャリアが難しいのかなと思いました。

残業がかなり多くて、特にWEB周りの部署は夜10時、11時までも珍しくなかったんです。そんな中、短時間勤務の方は、謝りながら帰ってるんですよ!

せっかくそういう制度も整えてるのに、復帰してるのに、16時、15時が定時なのに、残業しながら謝ってるのが衝撃的だったんです。

理解がある職場でもこういう感じなら、日本の会社で働くなら仕事を選ぶのか、女性を選ぶのか、どっちかしかないのかなって思って辞めたんです。

井口:その気持ちは私もよくわかります!!

久野:辞めた後は、手に職をつけたい!と思って、WEBのクリエイターの学校に通っていました。なので、HPの作成や画像編集等も実は全部自分が作っています。

その後、辞める時にお世話になってた取引先の方と話した時に「日本の会社で女性が働き続けるのは難しいし、今後はフリーランスで働くと思う」と話すと「お前、逃げてるでしょ」って言われたんです。それがいい転機になりました。

 

私は、絶対自分が納得できるまでやりきるタイプなんです。

工学部を卒業したのにWEBマーケッターになった時も、周囲からの反対があってもやり通したのに、なんでここだけ世間の常識とかで選んじゃったんだろうっていうのを振り返ったんです。

 

そこで考えたのが、次に就職するまでに1年弱期間があるから、何か、今までやりたいな!ってすごく思ってるけど言い訳をして逃げてやっていなかったことで、一番大変なことを1つやろう!それをやりきってから次の仕事に就こう!と決めました。

やりたいことから逃げる自分になっちゃうのが嫌だったんです。その時に本屋さんに行った時に、世界一周の本を見て、これだ!って思ったんです。

お金がかかるから、時間がかかるから、家族が心配するから、仕事があるから、勉強があるから、といって、やらなかったこと。

井口:もともと、世界一周は興味があったですか?

 

久野:実は、父が若い頃に海外を放浪していて、その話を聞いて育ったので大人になったら行くしかないと思っていました。でも、行きたいけど自分にできるのかな?とも思っていたんですね。不安や自信のなさがありました。

でも、やりたいことから逃げる自分が嫌だと気付いた時、今行かずしていつ行くのか?これ、行くしかない!って思って、半年くらいで準備をして、学校卒業してから3ヶ月くらいで世界一周に行きました。

いざ、世界一周へ!!!

井口:最初はどこから行かれたのですか?

久野:NYです!そこからずっと下って、ボリビア、南米の最南端のウシュアイアまで行き、ヨーロッパ、アジアを回りました。途中で1回帰ったのですが、足りなかったのでもう一度旅に出て、結局2周しました。

井口:一番印象的な国はどこでしたか?

久野:ブラジルです!実は、行く前は行きたくなかったんです(笑)なぜかというと、治安が悪い、暴動が多い、車で止まったら襲われるから信号でも止まっちゃだめだ、という悪い話ばかりを聞いていて。インターネットでも、リオデジャネイロに1人で行くのは、死ぬ気か!?なんて書かれていて、怖かったんです。ただ、たまたまリオにいる留学生の台湾の友達がいて、行くなら今しかない!と思って行きました。

久野:ブラジルに着いたら、イメージしていたものと全然違ったんです。

すごくみんなが陽気でした!みんな親切にしてくれて、みんなが助けてくれました。リオのカーニバルのためにゲストハウスが泊まったのですが、そこで出会ったメンバーも最高で、旅の間もそこで出会った各国の友達を訪ねて行ったりしました。

ユースホステルだと普段はヨーロッパの人たちが多かったんですが、ブラジルではイギリス、アルゼンチン、コロンビア、南米の方も結構多く集まっていて、昼からカーニバル、夜はビーチでパーティー、また次のお昼はカーニバルという生活をしていました。地元の方とも仲良くなって、日本の国旗をつけた人が歩いていたり、話しかけてくれたりしました。

結局、私の世界一周の中で、ブラジルが一番滞在日数が多いんです。やっぱり行ってみないとわからないなと思いました。まさか自分がそんなに好きになるとは思わなかったんです。

井口:私も小学校がアメリカだったので、わかります。当時は7歳であまり覚えていませんが、親戚からは怖いところだと言われていました。なんで私はこんな怖いところに行くんだと思ってましたけど(笑)

久野:そうですよね(笑)私はよく言っているのは、私が感じたことは、あくまでも私がその年齢で行って感じたことであって、性別・年代が変わったら感じることも変わるし、見えるもの、行く場所も変わると思うんです。別の人が行ったら別の発見があると思うんですよね。

 

私にとって世界一周をしたのは本当にいい経験で、自分のフィルターで、自分の見るままにいろんなことを知れたのがよかったです。今の時代は、テレビやインターネットで情報は簡単に手に入りますが、誰かのフィルターを通して入る情報ではなく、実際のものを見ることを大事にしようと思っています。

様々な経験を経て、いざ起業へ!!

久野:旅行中に、発展途上国の子と仲良くなったんです。例えばトルコやインドの子たち。でもそこで出会った友達が、私と同じように世界一周したい!ってお金を貯めるために必死で頑張ったとしても、現実問題、世界一周するのは不可能に近いんです。それを知ってとてもショックでした。

インド人の友達が、海外回りたいな〜と言うので、「行ったらいいじゃん、パスポートとお金があればどこでもいけるよ!」と私は軽い気持ちで言ったのですが「でも、僕はインド人だから、自由に旅にいけないんだよ。」と言われました。

 

私は今まで46ヵ国回りましたが、大使館でVISAを申請したのは2ヵ国のみでした。だけど、私のインド人の友達は、インド人であるというだけで50カ国くらいしか自由に行ける国がなかったんです。アメリカやヨーロッパに旅行に行くだけも大変で、大使館に行っていちいち面接を受けないといけなかったり、場合によっては親の職業や年収を聞かれたりするんです。

日本人とインド人。生まれたときから差がある、ということにショックを受けました。

 

とっても努力している人なのに、何もしていない自分よりも可能性が限られてるのを知った時に、何もしてこなかった自分にすごく腹が立ったんです。何でもできる権利がある、できる可能性があるんだったら、その権利や可能性を持っていない人のために何ができるかな?というのを必死で考えました。

そこで目を付けたのが、派遣サービスだったんです。

実は、私自身世界一周中の前後は誰も雇ってくれなかったので、派遣のアルバイトが助けになりました。毎回信頼を重ねるうちに責任がある仕事も任せてもらえました。

 

当時は、国内のイベントや展示会で、語学に特化した派遣サービスがなかったんです。旅の間に幾つか海外の展示会も見たのですが、海外の展示会では英語を話せるのは当たり前で、語学+αで何ができるかで、戦われていました。例えば、司会、営業、場を盛り上げる、専門知識がある、など+αのところです。

これが日本と海外で違うところで、語学が苦手な日本に必要なものだなと思い、語学に特化したイベント人材の派遣サービスを始めました。

 

日本でそれまであった語学人材の派遣サービスは、通訳会社が片手間でしているものが多かったんです。同時通訳や会議通訳を普段やっている人が展示会に派遣されている状況だったので、展示会でのモチベーションが低かったんです。なので、通訳以外の業務を嫌がる傾向があって、例えばお客様はバイリンガルでお客様に商品の説明をして欲しいのに、「接客はうちがやる仕事じゃない、通訳対応じゃないでしょ」っていうスタンス。値段はすごく高いけど、望むことをやってくれない。

 

さらには、海外の現地の展示会で人が必要な場合、国内に拠点を置く会社に発注しても、ほとんどが現地の派遣会社に発注してるだけだったんです。なので、レスポンスが遅かったり、最悪の場合お願いしていた人が来なかったりと不満が多くて。だったら、国内外でフラットに評価基準を統一して、語学が話せる人材の派遣サービスを立ち上げたらうまくいくんじゃないかなと思ったんです。

 

このサービスがあれば、国内でも海外でも、住んでいる場所や国籍によらず1日から働いてもらうことができるし、例えば留学生も、日本人の代替要員として、コンビニや居酒屋でキツイ仕事をしていたところを、外国人であることを活かして仕事ができると思ったんです。

井口:何か解決したいと思っても、思っているだけの人が大多数の中で、行動に移されているのがすごいですよね。

久野:ありがとうございます。私は本当にラッキーで、運がよくて、いろんなご縁に恵まれて今があります。

クラウドファンディングをこれから始める方に向けて、一言お願いします!

井口:久野さんは今クラウドファンディングにも挑戦されていますよね。今回のテーマを教えてください。

久野:「Fiesta para todos」というイベントを6月1日に開催します。私も世界一周をして初めて知ったことがたくさんあるので、ぜひこのイベントに来て世界のことを知ってほしいなぁと思っています。

 

井口:このアイディア、企画、全部ご自身でされてるんですよね。

久野:そうなんです。腰が重いタイプなんですが、決めたら1日でできました。(笑)

 

何かを始めるときって必ず不安があると思います。自分がそんなことできるのかな?みんな協力してくれるのかな?って思うんですけど、私もやり始める前はそう思っていました。

でも、今やっていることは自分が思っていた以上のことができているし、やってみないと始まらないなと思います。たとえ失敗したとしても、それから成長できますし、たとえ失敗したとしてもまた同じ挑戦ができます。続けていたら絶対できるので、最初イメージしてたものや、絶対にやりたいことは叶う!!Kanattaですから(笑)

井口:ありがとうございます(笑)

久野:自分の中で考えているだけだとそれで終わっちゃうと思います。もっとこうしたほうがいいんじゃない、とアドバイスや指摘を頂いてだんだん形になっていくものだと思うので、まず挑戦してみること、そして失敗しても諦めずにやり続けることが大事だと思います。

井口:まさにKanattaは少額からまずやってみよう、っていうチャレンジを背中押ししたいと思っています。ダメだったとしても次々チャレンジしたら、自分のやりたいことがどんどんブラッシュアップされるんじゃないかと思っています。

 

久野:とても素敵だと思います。私も、まずやること、そして何回も挑戦し続けること。ベタかもしれないけど、これを大事にしています。

井口:ありがとうございます。本当はもっと話を聞きたいところですが、今日は時間なのでこの辺で。

久野:たくさん聞いてくださり、ありがとうございます!

最後に・・・

久野さんはすごく努力家ですね、とお伝えしたら、「自分にできることは、頑張ることしかないんです。」と最後におっしゃっていました。
久野さんのように、自分の夢や目標に向かって頑張るような生き方がとてもカッコいいなと思いました。
ぜひ、今後の益々のご活躍を楽しみにしています!!

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