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【イベントレポート】アップルレザーが導く「ヴィーガン」を通して考える、共生とは?

INTERVIEW

「LOVST TOKYO」が開催したポップアップイベントに参加しました!

2021年7月18日(日)、廃棄りんごを使ったアップルレザーをはじめとする“未来のレザー”ブランド「LOVST TOKYO(ラヴィスト・トウキョウ)」様にご招待いただき、ポップアップイベントに参加してきました。

今回のイベントは、「ヴィーガンを通して考える共生」をテーマに、ミレニアム世代の登壇者3名によるトークセッションと、LOVST TOKYOの製品にも使用している廃棄りんごをアップサイクル(※1)したアニマルフリーの新素材「アップルレザー」を用いたクラフト体験教室も開催されました。

(※1アップサイクルとは、副産物や廃棄物をよりよい品質の商品に変換する、サスティナブルなモノづくりの新たな方法論のひとつ)

 

(写真左から唐沢海斗氏/中・Miyu氏/右・三塩佑子氏)

 

トークセッションでは、登壇者に唐沢海斗氏(LOVST TOKYO代表取締役)、東京都環境局のゼロエミアンバサダー(※2)も務めるMiyu氏(ヴィーガンモデル/クリエイター)、本イベントプロジェクトを運営担当する三塩佑子氏(株式会社Hub Tokyo・コミュニティビルダー)の3名でクロストークが展開されました。

本記事では、LOVST TOKYOの取り組みや製品の紹介をはじめ、本イベントの内容をご紹介いたします。
(※2ゼロエミアンバサダーとは、東京都環境局が進める2050年にCO2排出量を実質ゼロにするための事業「DO!NUTS TOKYO」のアンバサダー。ゼロエミアクション(CO2削減アクション)のための情報発信を行っています。

(参照:DO!NUTS TOKYO:About US

 

“未来のレザー”ブランド「LOVST TOKYO」とは?

 

(※LOVST TOKYO様提供画像)

LOVST TOKYOは「Follow forms. きっとそこからわかることがある」をブランドメッセージに掲げ、共生を纏(まと)う未来のレザーブランドとして2020年に立ち上がりました。

はじまりは、ヴィーガンファッションのアパレル事業でしたが、アニマルフリーであっても環境に配慮していない商品があることに矛盾を感じ、商品開発の末、辿り着いたのが「アップルレザー」です。

一般的に動物の皮を用いるレザーですが、アップルレザーは、廃棄予定だった有機りんごの皮をアップサイクルすることで生まれ、レザーのためだけに動物を殺傷することがない、動物にも環境にも優しい素材です。
従来のレザーに比べ軽量で耐水性も優れているため、天然皮革の代用品として魅力的で新しい素材です。

LOVST TOKYOではそんな“未来のレザー”を用いた商品開発と販売に積極的に取り組み、本当の意味でのアニマルフレンドリーなライフスタイルを追及しています。

また、生産から販売、回収、リメイク、再販までといった循環型の製品販売を目指し、いつまでも愛着をもって使い続けられるサスティナブルな製品づくりを心がけています。
そんなLOVST TOKYOの想いのつまった、アップルレザーの商品を紹介します。
(参考:LOVST TOKYO:OUR VALUE

 

アップルレザーの魅力とは?

2021年3月に実施した第一弾のクラウドファンディングでは、アップルレザーを使用したトートバッグをリリースし、達成率450%を記録したそうです。

第二弾のクラウドファンディングでリリースする商品として、今回のイベントでいち早く紹介していただいたのが、7/24(土)にリリースされた優しい未来を背負う「アップルリュック」です。

 

(※LOVST TOKYO様提供画像)

 

なめらかな手触りが魅力的で、なんといっても超軽量。実際に持たせていただきましたが、背負っていることを感じないくらいの軽さでした。
また耐水性にも優れていて水に濡れてもサッと拭くだけで乾くため、安心して利用できる、普段使いにピッタリなリュックです。

(※LOVST TOKYO様提供画像)

 

内側は、13インチのPC収納ポケットがついており、キーリングやスマホがすっぽり入るポケット、カードやタオルの出し入れがしやすいフロントポケットを搭載しています。

カラーはアイボリー/ブラックの2色を展開し、形もシンプルでスタイリッシュなため、どんなファッションにも合わせやすい印象でした。

このアップルレザーに使われている廃棄りんごは、りんごジュースを製造する際に出るりんごの絞りかすだそうです。
リンゴの繊維を約20%~40%原料として使用することで、従来のヴィーガンレザーに比べ、石油由来の樹脂の含有量を減らし、生産時に使用する水の量やCO2の排出量を抑えられるので、より環境に優しい選択肢として、国内外から注目を集めています。

<商品詳細>

販売期間:2021年7月16日(金)〜8月15日(日)

購入先URL:https://www.makuake.com/project/lovst-tokyo2/

販売価格:2万4,200円(税込)

(参考:【LOVST TOKYO】廃棄りんご生まれのアップルレザーを採用。優しい未来を背負う「アップルリュック」をMakuakeにて販売

また、この秋発売予定のサコッシュも今回特別に試着させていただきました。

こだわりのデザインでスタイリッシュに決められるおしゃれなアップルレザー製品で、私自身もすぐ手に取りたくなりました。

 

トークセッション「様々な価値観が共生すること」

ここで、本イベントでのトークセッションの内容をご紹介します。

トークセッションのテーマは「様々な価値観が共生すること」。ヴィーガンに関心をもったきっかけや、ヴィーガンに関する取り組みを進める中での変化を紐解きつつ、目指したい価値観や共生について考える時間となりました。

 

 

ーヴィーガンに関心をもったきっかけ、そこから活動につながったきっかけとは?
Miyu氏:インドネシアで学生時代を過ごした高校生の頃、インターナショナルスクールで周りの友達や先生がヴィーガンとなったことがきっかけです。色々と学んでいくうちに、自分自身も動物や環境に配慮していく中で、肉、魚、卵をやめたことがヴィーガンのはじまりでした。

しかし、日本に帰国すると、ヴィーガンの食事ができる場所があまりなかったんです。根気よく調べてようやく見つけることができたので、自分の備忘録とそういった飲食店があることを広めるために、SNSで情報を発信するようになりました。そこから、徐々にインフルエンサーとの繋がりが広がって、今に至ります。

自分自身が生活する上で必要なことから、学べば学ぶほど問題が根深いことに気づき、「まずはより多くの人に知ってもらうことが必要だ」という想いで今、活動しています。

唐沢氏:僕はもともと、ヴィーガンに対しては否定的でした。ヴィーガンとの出会いは、海外の大学に通っていた頃。当時の彼女がもともと肉食だったのに、動物ドキュメントを見たことをきっかけに急にヴィーガンへと転換。その彼女に「私の前で肉を食べないで」と強要されたことがあり、ネガティブな印象を抱いていました。

しかし、就職先のシリコンバレー付近で受けたヴィーガンの印象はとてもポジティブなものでした。シリコンバレーのエリアは元々異なる価値観を受け入れるマインドセットができているので新規参入の競争が激しく、サービスが自ずと洗練されていくんです。すると、自然と消費者の満足度も高くなります。

そこで、同じように相乗効果や連携を生み出す流れを作りたいと感じ日本に目を向けた時、日本はまだまだ新しい価値観に対して否定的でした。だから、そこを変えられるのはアパレルからだと思ったんです。そして、現在の事業の前身となる、海外のヴィーガンアパレルを集めて販売するイーコマースからスタートしました。

ーヴィーガンになったときのマインドセットといまの考え方は?
Miyu氏:お肉をやめたきっかけは、動物が殺される映像を見たことだったので、衝撃が大きく自己嫌悪になりかけていました。

自己嫌悪に陥ると、そこから逃れるために他人への攻撃に走ってしまう人もいますし、他人の言葉につい過敏に反応してしまう人も多いと思います。実際に、ヴィーガンの人は強いメッセージを発信しバズりやすいため、ネット上でも攻撃がされやすい対象でもあります。
また、ヴィーガンという枠にはまり、自分の意思に反する行動をとってしまったときに辛い気持ちを抱えたり、完璧主義を目指そうとするあまりヴィーガンにはなれないと感じたりしている人もいると思います。

しかし、大切なのは行動しようという気持ちです。「自分ができることをできるだけやってみる」そんな風にSNSで発信していると、「それでいいんだと思えるようになった」というコメントも多くいただくようになりました。

唐沢氏:僕は、どうやってヴィーガンを通して動物愛護や環境問題に対して目を向けるきっかけを与えられるのか、事業のミッションについてとても悩みました。最初は、「自分のエゴによる目的意識以上に大切なことに気づいて欲しい」という想いから、『design your purpose in life(人生の目的をデザインする)』というミッションを掲げていました。

しかし、事業を続けていくうちに、「それこそ価値観の押しつけなのではないか」と感じ、今では『新しい世界の想像力を育む』としています。

言葉のニュアンスですが、以前のミッションは強いるイメージがあったので、今は“強制”から“共生”に変化できたのではないかと思っています。
また、ヴィーガン事業をやっていることを話すと、「ヴィーガンだから覇気がないね」と言われることがあり、それがすごく悔しかった。だから、あなたが知っているヴィーガンと自分の知っているヴィーガンは違うんだということを、僕自身の姿や事業を通して伝えていかなければならないと思うようになりました。

 

 

ーどういう形の共生を思い描いているのか?
唐沢氏:ヴィーガンに対しての偏見や先入観をなくしていくこと。それがまず、取り組むべきことだと思っています。理想は、映画『もののけ姫』のサンとアシタカ。ラストシーンで2人が別々の場所で暮らすように、お互いを理解して共生するというきっかけを与えていきたいです。

先ほどお話したシリコンバレーの人々は、なぜヴィーガンを受け入れるマインドセットができているかというと、あのエリアは平均年収が高いんです。経済的に余裕が生まれると、人間は健康に投資をするようになります。そして健康に貪欲になると、人は自分の価値観を変えることに柔軟になる。また、経済的に余裕がある人ほど自分の行動が社会にとってより良い選択であるかどうかを意識するようになります。自分のエゴが働きにくくなるんです。

今、日本は経済的には豊かとは言えない状況にはなってはきていますが、SNSから情報を得て、環境問題にアクションを起こす人は確実に増えています。シリコンバレーとはまた違ったエゴの働きにくい環境や伝え方を模索しながら、アクションする人にきちんと僕たちのメッセージや商品が届く流れを作っていきたいですね。

Miyu氏:YouTubeを始めSNSで発信していると、「ヴィーガンになれ」とは言っていないのにアンチコメントがすごく多い。

ヴィーガンは、地球にも動物にも環境にも優しく生きていく社会を目指しているのに、一部のトゲトゲしたイメージを持つ人が多い。わたしは人にも優しく生きたいので、そのイメージを変えていきたいなと思っています。

また、怒りの感情は分断しか生みません。尊重や対話は、共感は生まれないかもしれないけれど、理解が生まれる。それを知った上でどう行動するかは人それぞれでいいと思っています。

「そういうこともあるんだなと」。あなたはあなた、私は私と、人のことをパーソナルに受け取らないことが共生への遠回りに見えて一番の近道だと思っています。

ー環境に配慮したものを使うことに敷居が高く感じている人も多くいる。実際に周りから「意識が高い」と言われることもある中で、どのように取り入れていけばいいのか?またこれから取り入れる人に向けてのメッセージは?
Miyu氏:「意識高いね」と言っている人は、自分が行動しない理由付けをしているだけ。周りの人からの目線を気にする必要はなく、行動で示してくことです。

まずは自分にできること1つでいいので、マイボトルを持ったり古着を取り入れてみたり、今月はこれをやってみるという目標を作ってみたらいいと思います。

一歩からの一歩一歩。一歩踏み出すと止まらなくなるはずだから、一旦最初のステップを踏み出してみる、行動をしてみると思っていたよりいい気持ちになれるはずです。環境問題に取り組もうとしている人は、「自分にできることを」と考えているはずです。100%ではなく、1%だけでもまずやってみることが行動に繋がります。

唐沢氏:僕もそう思います。今はSDGsやサスティナブルがトレンドになったことで、キャッチアップできる情報が増えています。そこから何かしらの学びを吸収して選んだ商品を購入したお金は、きっと未来への投資になります。

Miyu氏:そうですね。でも、質の良い情報を選ぶ判断が難しいですよね。個人の意見と、ニュースの裏がとれている情報が並立している時代で、何が正しいかはわからない。その中で自分がこれでいいと思うモノを選んでいくしかないと思います。

このトークセッションを受け、改めて自分自身にとっての「ヴィーガン」を考える時間となりました。いろいろな考え方があるヴィーガンを通して、それぞれの価値観を共有しながら、理解できる社会を目指していくことがより良い共生につながるのではないかと考えました。

 

クラフト体験では、実際にLOVST TOKYOの製品に使われるアップルレザーを使用したキーリングを作製しました。簡単に糸も通り、縫いやすいことが印象的でした。
とても軽くてかわいいアップルレザーをいただき、さっそくキーリングとして使っていてお気に入りのアイテムです。日常に取り入れやすい製品も多いアップルレザーは、サスティナブルな行動を何か始めたいけれど、何から始めていいかわからない人に向けておススメです。

 

さいごに

いろいろな情報が得られるようになったいま、私たちが何を選ぶのか選択肢もたくさん増えてきました。

そういった社会の中で、より地球に、環境に、動物に、人に優しいヴィーガンがひとつの選択肢としてあります。よりよい未来へ向けて、まずは自分ができることを、できるだけやることが、いま私たちにできることではないでしょうか。

今回ご紹介したアップルレザーの製品もそのひとつです。
自分の考えるよりよいものを選び、未来につながる行動のきっかけにいかがでしょうか。

 

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■LOVST TOKYO
HP:https://lovst-tokyo.com/

Instagram:@lovst_tokyo
代表取締役 唐沢海斗氏:@kaito_lovst

 

■Miyu(Tokyo Vegan Girl)
Instagram:@tokyovegangirl_miyu
YouTube:Miyu*Tokyo Vegan Girl

 

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