エシカルガールが地球を救う!環境問題とジェンダー平等の深い関係
「エシカルガール」が持つ大きな存在意義とは?
みなさん、こんにちは!
最近、エシカルガールというワードを聞く機会が増えてきましたね。
実は、kanatta libraryをご覧の、エシカルに興味のある皆さんはすでにエシカルガールなんです!
エシカルガールとは?
Kanattaでは、エシカルな取り組みを少しでも意識して実践している方や、ライフワークとして取り組まれている方まで、「エシカル」に関心がある女性を、「エシカルガール」と呼んでいます。
もちろん、エシカルファッションやエシカル消費に興味がある女性も、「エシカルガール」の1人です。
(引用:Kanatta Library)
この言葉は、
「日本が環境問題への取り組みに関して後進国であるという事実に課題意識を持ち、ジェンダー平等というもう一つの日本の重要課題もちろんですが、環境問題や社会問題に取り組み、サスティナブルな事業を展開する女性を増やしたい!」「『エシカルガール』という言葉を通じて、よりエシカルを身近に感じてもらいたい!」
というKanattaの想いから生まれたものです。
エシカルガールが増えていき、一緒にアクションを起こせることはとても素晴らしいことなのですが、みなさんはどのような問題意識や想いを持ってエシカルな試みに取り組んでいますか?
もちろん、社会の流れに敏感になり、社会課題に多くの人が少しづつ取り組んでいくことは大切なのですが、一方で自分自身の利益のために、アクティビズムを利用したり、その社会課題などの問題についてよく理解せず、流行りにのることを目的に表面的なアクティビズムを行ったりすること(=「Performative Activism(パフォーマティブ・アクティビズム)」)だけにならないように、きちんと自分なりの理解や問題意識を持つことが重要になってきます。
そこで、本記事では女性が環境問題や社会問題に取り組むことの重要性=エシカルガールの存在意義について、書かせていただきました。
この記事を機に、もう一度みなさんが「エシカルガール」となる意義について改めて考え、新年度からまた新たな目的意識を持ちながら活動する心意気を持ってほしいと思っています!
インターセクショナル(≒多角的な)視点を持とう!環境問題とジェンダー平等の関係性
みなさんは、「フェミニズム」と聞くとどのようなイメージをいだきますか?
多くの人が「ジェンダー平等」に関わることを思い浮かべるかもしれません。
しかし、この「フェミニズム」の考えが環境問題と深い関係があるということをご存知でしょうか?
昨今の気候変動問題は世界中に大きな打撃を与えており、早急に解決すべき課題として挙げられています。
そして、「エシカルガール」のみなさんはその様な世界の状況に目を向け、何らかの取り組みを行なっている方が多いと思います。
しかし、このような気候変動問題が具体的に「誰に」「どのように」影響するかということを考えたことがあるでしょうか?
環境問題とジェンダー平等の関係ということでお話すると、実は男性と比べて女性のほうが気候変動の影響を受けやすいということがわかっています。
ここでは特に3つの要因についてご紹介します。
1.ジェンダーロール(≒性役割)による直接的な影響
世界的に、特に発展途上国において、家庭内において男性は外で働き、女性は家族のための食糧や水を調達するというジェンダーロールが根強く残っています。
例えば、UN Womenの調査では以下のようなデータがあります。
「サハラ以南のアフリカの25カ国を分析したところ、この地域の水汲みの71%は女性と少女であり、たった1日で女性は合わせて1,600万時間を水汲みに費やしていると推定されています(これに対して男性は600万時間)。」
(引用:UN Women)
気候変動は水や食糧などのリソースの調達を困難にし、その役割を担う女性に対して特に直接的な影響を与えます。
2.ジェンダー間格差による意思決定権の損失
現在の男性優位社会において、女性は男性に比べて教育を受ける機会、雇用機会、所得所有などに関して、受けることが難しいという状況があります。
その様な立場の女性は、意思決定の場などで声を届けることができず、気候変動問題などの社会問題の解決に関わることができないがために、自分達が置かれている状況に対するアクションが起こりずらい状況となってしまいます。
国連気候変動が2019年9月に発表した「ジェンダー構成報告書」には次のようなデータが示されています。
「世界中の女性と少女は、国内および国際レベルでより多くの気候変動対策を要求しており、そのリーダーシップに対する評価も高まっています。しかし、気候変動に関する意思決定の場では、女性の声はまだ平等に反映されていません。
女性の代表率が38%を超えたのは15の構成機関のうち5つだけで、13の構成機関のうち8つがその閾値に達した2018年に比べて少なくなっています。 全体では、構成機関の女性代表率は平均33%でした。最も少なかった委員会では、女性代表はわずか10%でした。」
(引用:UN Climate Change)
3.女性に対する暴力の増加
気候変動によって、女性に対する暴力が世界中で増加しているという報告があります。
現在世界中が苦しんでいる新型コロナウイルスの流行は、気候変動問題の影響だといわれています。
そのパンデミックは、特に世界中の女性と女の子に対する暴力を増加させているとういうデータが発表されています。
UN Womenが2020年4月に発表した「COVID-19(新型コロナウイルス) 女性と女の子に対する暴力」というレポートでは、具体的に以下のように記されています。
「世界では、2.43億人のの女性と女の子(15歳〜49歳)が、過去12ヶ月の間に親密なパートナーから性的・身体的暴力の被害を受けました。窮屈で閉塞的な住環境の下、安全・健康・金銭面の不安が家庭内の緊張感や重圧を増幅させる中で、この数字は増加するでしょう。」
(引用:UN Women)
「環境と女性」に関する世界的な動き
上記で説明したような「環境とジェンダー平等」の関係性に国際社会は注目をし、現在までに様々な国際的な取り組みが行われてきました。
その中で、今回は1995年9月に北京で開催された「第4回世界女性会議」を紹介します!
ここでの議論の成果物である「北京宣言と行動綱領」は、現在に至っても女性の人権に関する最も包括的かつハイレベルな国際文書として国際社会で重宝されていて、具体的には女性のエンパワーメントのためのアジェンダとして12の重要課題分野を設定しています。
そして「女性と環境」というテーマは、その12の重要分野の一つです。
綱領では、環境に関する政府の行動について、3つの戦略的目標が示されています。それは、➀あらゆるレベルの環境に関する意思決定に女性を積極的に参加させること、②女性の関心事や視点を政策やプログラムに組み込むこと、③開発や環境政策が女性に与える影響を評価する方法を確立することなどです。
(参考:男女共同参画局、UN Women)
おわりに
みなさん、いかがでしたでしょうか?
女性として環境問題に声を上げ、アクションをする「エシカルガール」という存在について考えていただけたでしょうか?
環境問題へ取り組むことは、気候変動の影響を大きく受ける女性のエンパワーメントに繋がり、一方で同時に、ジェンダー平等を実現することは、気候変動の影響を受けている女性たちの声を反映させることにつながり、現在の環境危機を抜け出す糸口となります。
その様なことを理解し、考えることができる「エシカルガール」たちの可能性は無限であり、その力を集結することによって地球社会の救世主となると信じています!
これからも共に声を上げ続け、アクションを起こしていきましょう!
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ライター:早稲田大学 平田唯
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