地球も体も綺麗に!コーヒーをアップサイクルした注目スキンケア3選
アップサイクルコーヒーのスキンケアアイテムとは?
こんにちは!
暑い日が続き、マスクの蒸れや汗によるお肌のトラブルが気になる季節が続いていますね。
スキンケアも様々な種類があり、どれを選ぶかお悩みの方も多いのではないでしょうか。
皆さんはそれらを選ぶ際に「エシカル」や「サスティナブル」を考えたことはありますか?
実は今、スキンケア業界でも環境へ配慮した商品が増えているんです。
そこで今回は、地球にも体にも優しいスキンケア、特にコーヒーのアップサイクルによる商品をご紹介します!
アップサイクルとは
廃棄物など、不要になり捨てられてしまうものに手を加え、新たな価値を持たせて別の商品に生まれ変わらせる「アップサイクル(upcycle)」。
似た言葉に、繰り返し使う「リユース(Reuse)」や原料化して再利用する「リサイクル(Recycle)」などがありますが、アップサイクルはごみの削減に留まらず、不用品をより魅力的なものにアップグレードする新しい概念として注目されています。
「アップサイクル」について詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください!
日本でも、ファッション業界では修復不可能な古着の生地を新たな雑貨や服に作りかえたり、建設業界では空き家をリノベーションして新たなコミュニティスペースとして活用したりと、多くの業界で取り組みが進んでいます。
今回取り上げるスキンケア業界でも、国内外問わず多くの企業がアップサイクルに取り組んでいます。
なぜコーヒーのアップサイクルなのか
今回、アップサイクルの原料として着目したコーヒー。
実は、コーヒーのアップサイクル事例は結構多いんです。
どうしてでしょうか?
全日本コーヒー協会の調査によれば、日本におけるコーヒーの消費量は増加しており、2020年には1人1週間あたりの杯数が11.53杯と過去最多となりました。
(出典|全日本コーヒー協会)
ちなみに飲用場所別に見ると、2018年から2020年にかけて「家庭」での消費量が最も増加し、逆に喫茶店やレストラン、職場などでの消費量は減少しています。
(出典|全日本コーヒー協会)
コロナ禍で増加したお家時間にコーヒーで一息、という方が増えたのかもしれません。
しかし、飲用の量が増えれば、その分コーヒー粕も増加します。
2015年、大手コーヒーチェーンのスターバックス・コーヒージャパンが、店舗で1日あたり約18kg、全国では年間で6,270tのコーヒー粕を排出していたと公表しました。
(出典|スターバックスコーヒージャパン株式会社/メニコン株式会社)
また2017年に発表された論文では、2015年の日本の年間のコーヒー粕の廃棄量は約90万tにもなったと推定されました。
(出典|食品廃棄物の農業利用の可能性について:コーヒー粕抽出液がコマツナの生育に及ぼす影響)
飲んだ後は、大量のごみになってしまっていたコーヒー粕。
それではもったいない!ということで、多くの企業が注目しています。
この後ご紹介するスキンケア以外にも、カップやノート、マスク、さらには小麦粉の代替品やお酒にまで変身しているものもあります。
気になる方はぜひチェックしてみてください!
コーヒー粕をスキンケアアイテムに!注目企業3選
ここからは、コーヒー粕を活用したスキンケアアイテムを手がける注目の企業をご紹介します!
HUG BROWNE(ハグ ブラウン)
HUG BROWNE(株式会社OGICO)は「楽しくハッピーに美容と環境配慮の両立をさせる」を理念とし、日本で初めてアップサイクルコーヒーを使用したコーヒーシュガースクラブ「エスプレッソボディショット」を手がけたブランドです。
原料のコーヒー粕は東京渋谷にあるTHE LOCAL TOKYOで抽出されたものを新鮮な状態で原料化して使用し、つぶつぶのスクラブ材として活用します。
素材も全て植物由来かつアニマルウェルフェアにも配慮し、ヴィーガンの方でも安心して使用することができます。
またデザインも環境への配慮を徹底しており、必要情報を全て瓶にプリントすることで不要な箱を省き、瓶も梱包材も全てリユース/リサイクルできる設計にこだわっています。
さらにステッカーなどに印刷するインクも全てソイインクを使用し、またエコラッピングを手がけるnoissueと提携することでHUG BROWNEが印刷を依頼する度に植樹される仕組みになっています。
ここまで環境配慮に徹底しているなんて素晴らしいですね。
全国どこでもオンラインショップで購入可能なのも魅力です。
KAFFE BUENO(カフェ ブエノ)
KAFFE BUENOは3人のコロンビア出身のコーヒー専門家によって始まった、デンマークのブランドです。
元々はオーガニック・コーヒー専門の企業でしたが、デンマークの研究所と共同開発を行い、現在はコーヒーの粕の抽出オイルによる新しい製品の開発を行なっています。
グルテンフリーのコーヒー小麦粉なども開発していますが、美容面ではリサイクル・コーヒーオイル「KAFFE BUENO OILⓇ」が注目されています。
KAFFE BUENO社によると、コーヒーにはクロロゲン酸というポリフェノールによるアンチエイジング効果、UV保護効果、リノール酸による治癒効果、カフェインによるアイケアと炎症作用、髪の成長促進など、肌と髪への効果だけでも多くの効果が期待できるそうです。
さらに健康面でも多くの利点があるといいます。
抽出後の絞りかすでこれだけの効果が期待できると知ると、これまで何気なく廃棄していたことがいかにもったいないことだったのか、と考えさせられます。
UpCircle(アップサークル)
UpCircleは、イギリス発のアップサイクル専門スキンケアブランドです。
ロンドンのカフェで毎日排出されるコーヒー粕が、行政にお金を払って処分を委託している事実に商機を感じた兄妹起業家によって創業されました。
Upcircle社によると、コーヒーは粉の状態よりも淹れた後の粕の方が抗酸化作用が高いそうです。
(出典|Upcircle)
またUpCircle社は、果物の種や皮などイギリスでコーヒー粕と同様に廃棄されていたものをアップサイクルした製品も多数展開しています。
彩りもカラフルでおしゃれですね!
また最近では、よりサスティナブルなブランドとなるべく製品のパッケージの改善にも取り組んでいるそうです。
まとめ 身近なものから毎日をもっとサスティナブルに
いかがだったでしょうか?
今回はアップサイクルコーヒーのスキンケアをご紹介しました。
この夏は地球にも体にも優しいスキンケアで、毎日のお肌のお手入れにもエシカルを取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、アップサイクル事業は他にも様々な業界で多様な取り組みが行なわれており、今後も増えていくと思います。
皆さんも、ぜひご自身に合ったものを取り入れてみてください!
それでは!
【出典】
・ISHIZUKA 他(2017)「食品廃棄物の農業利用の可能性について:コーヒー粕抽出液がコマツナの生育に及ぼす影響」Journal of Advanced Science, Vol. 29, 29102
・スターバックスコーヒージャパン株式会社・メニコン会社「コーヒー豆かすリサイクルの取り組み」
・全日本コーヒー協会
・HUG BROWNE
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ライター:千葉大学 西沢美樹
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