【国際女性デー記念】国際基督教大学西村幹子教授と対談イベントを行いました!イベントレポート
ジェンダー平等を実現するには、一人ひとりが「当たり前を疑う力」を持つこと!
3月13日(土)に国際基督教大学西村幹子教授と株式会社Kanatta代表取締役社長井口恵の対談イベントをオンラインで開催いたしました。
世界経済フォーラム(WEF)が発表した各国のジェンダー不平等状況を分析した「世界ジェンダー・ギャップ報告書(2020)」(※1)では、対象となる世界153か国中、日本は121位とG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)での最下位を記録しました。
また、最近では森喜朗元首相の発言(※2)が国内外から批判されており、さらなるジェンダーギャップが浮き彫りになっています。
そんな世の中に巻き起こる「ジェンダー平等」について考える本イベントは、社会人だけでなく、中学生から大学生まで幅広い層の参加者がそれぞれが持つ「ジェンダー平等」への想いについてディスカッションしました。
※1:「共同参画」2020年3・4月号 | 内閣府男女共同参画局
※2:森氏 3日の発言「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」 – スポニチ
西村教授が考えるジェンダー平等とは?
西村教授の考えるジェンダー平等とは、「個人が性別やセクシャリティによらず、さまざまな機会の選択肢を与えられること」だとお話しくださいました。
学校で男女のマラソンコースの距離、社会での働く機会、男女での労働収入の違い、教育で培われた学歴がそれぞれ平等に活かされているのか。
私たちが日々の社会を生きる中で与えられる選択肢が、不平等な構造や差別的な思い込みをしていないことも重要です。
「個人の選択」の背後にある社会構造やジェンダー規範に常に目を配り、「合理的判断」や「配慮」が個人の機会を制限する「差別」になっていないか考えることで、ジェンダー平等へと繋(つな)がるのではないかとおっしゃっていました。
ジェンダー平等の社会を実現するにはどうすればよいか?
私たちは日々の生活の中で、潜在的にジェンダーバイアスがかかってしまっています。
例えば、幼稚園に入れば男女分かれて整列する、お店に並ぶおもちゃが男の子用、女の子用と表記されている、テレビの中で男女のランドセルの色が分けられている。
学校にいけば数学の難しいところは○○くん、音読するなら声がキレイな女性の○○さん。
そういった「ジェンダーの社会化=ジェンダーソーシャライゼーション」は、家庭、メディア、マスコミ、商品、学校教育、友達関係の中であふれかえっています。
無意識のうちに使われるジェンダーバイアスに対して、一人一人が自分自身の行動、発言を意識していくことが必要だと西村教授はお話ししていました。
「彼氏いないの?」「彼女いないの?」など、私たちの何気なくいった一言が誰かを傷つけているかもしれないという観点を持つことが大切です。
知識としてジェンダー平等を学んだだけでは本人の行動には落とし込めません。教室や職場など実践する場に入り、批判的思考力を実体験を通して育成していく必要があります。
つまり、「当たり前を疑う力」を一人ひとりが身につけていく為の教育が必要です。
ジェンダーに関する有意義なディスカッション
ディスカッションの時間では、参加者の積極的な質問によりジェンダーに関する現状やたくさんの課題をそれぞれが再認識する時間となりました。
ディスカッションの内容としては、
・女子大は廃止すべきなのか
・「国際女性デー」として1年でこの1日だけ注目することに対しての疑問
・すでに権力を持ちジェンダーに対して優位にたつ方々が、そもそもジェンダーに関して興味がないことに対してどう向き合うのか
・海外はなぜジェンダー解決意識が強いのか
などがあがりました。
参加者としてわたしの印象に残ったことは、「人間はマイノリティーに属したことは記憶に残り、マジョリティーの立場では記憶がなくなる」ということです。
まずはマジョリティーやマイノリティー関係なく、自分の立場について学ぶこと、そしてそこから気づき、分析し、行動すること、声を上げることが大切だと実感しました。
さいごに
今回のイベントを通して、数字でみる日本の統計的差別の実態を学び、私たちが日々生活する中で知らず知らずのうちにジェンダーバイアスがかかっていることを実感しました。
たとえ今はまだ小さくても、一人ひとり気づいた人が声を上げていくことが、ジェンダー平等への一番の近道だと思います。
株式会社Kanattaでは、月に一度専門家やあらゆる業界でご活躍されているゲストを招き、イベントを開催する予定です。
SDGsやエシカルなどに興味がある方は、次回もぜひご参加ください。
SDGs、エシカルについて、まずは知ることから始めたい方は、このkanatta libraryを、
最新情報を知りたい、また、ご自身で情報発信したり、情報交換していきたい方は、Facebookコミュニティへ、
この記事をきっかけに、少しでも「株式会社Kanatta」に興味を持たれた方、活動してみたい方は是非チェックしてみてください。