無駄を収益に!世界が注目するサーキュラーエコノミーとは?
世界で注目されるサーキュラーエコノミー(循環経済)で、いい社会づくりを!
新型コロナウイルスが猛威をふるい、経済全体も大きな打撃を受けています。
この状態がいつまで続くのか、終息したとしてもそのときの経済活動がどうなっているのか、先行きが不安だと思っている人も多いのではないでしょうか。
今後、私たちの住む世界は大きく変化していくだろうと、私は感じています。
今回は、世界で注目される『サーキュラーエコノミー』をメインに、関わりの深い『SDGs』について紹介します。
2020年必見のビジネストレンドは『SDGs』
最近、ニュースや電車の中吊り広告などでよく目にするようになった『SDGs』ですが、多くの企業が注目・取り組みを行っていて、ビジネスのトレンドになっています。
SDGs(持続可能な経済目標)とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
引用:外務省・JAPAN SDGs Action Platform
引用:外務省・JAPAN SDGs Action Platform
世界経済フォーラムの2017年レポート「Better Business Better World」(レポートの日本語版)によれば、「SDGsを達成することで、2030年までに世界で年間12兆ドル以上の市場経済がもたらされる」とあり、企業にとってSDGsを達成することが大きなビジネスチャンスにつながっているのです。
では、どのようにしてSDGsを達成していったらいいのでしょうか?
SDGs達成の鍵になるのが『サーキュラーエコノミー』です。
サーキュラーエコノミーってなに?
『サーキュラーエコノミー(循環型経済)』とは、製品を資源から生産し「使用後に廃棄して終わり」の直線型経済(リニアエコノミー)ではなく、製品のまま、あるいは修理して他人が再び利用する、廃棄物を部品や資源に分解して再び製品にするというように、円形状に回していく経済の仕組みのことを表します。
「2050年までに100%サーキュラーエコノミーを実現する」という目標を掲げているオランダ政府は、下記の図を用いてサーキュラーエコノミーの概念を説明しています。
引用:オランダ政府 From a linear to a circular economy
持続可能な成長を実現するための新たな経済モデルとして世界中で注目を集めており、EU(欧州連合)では2015年12月に「サーキュラーエコノミーパッケージ」が採択されるなど、経済成長政策の中心に据えられています。
一般社団法人サーキュラーエコノミー・ジャパンは、「サーキュラーエコノミーを国際的な協調の下で、 日本に経済システムとして根付かせることを通じて、持続可能な社会を実現することを目的とする プラットフォームです。このプラットフォームを通じて、CEに関するナレッジ、アイデア、行動を結びつけることにより、日本経済のCEへの円滑な移行を促進します。」と、今後のビジネスにおいて、サーキュラーエコノミーがなくてはならないものであると捉えています。
2013年には英国のエレン・マッカーサー財団が、サーキュラーエコノミーの推進を目的として、CE100(Circular Econ100)というプラットフォームを設立しました。
公共団体、企業、地域組織、大学などが参加していて、循環型事業を社会実装させる前の実践の場として活用されています。
日本では、2018年4月にブリヂストンが、2019年3月に三菱ケミカルホールディングスが参加しています。
サーキュラーエコノミーのビジネスモデル
サーキュラーエコノミーを実践していくために、アクセンチュア社はサーキュラー・エコノミーの具体的モデルを、『Waste to Wealth(無駄を富に変える)』のなかで5つに分類しています。
1.再生型サプライ
原材料に関わるコストを削減し安定調達を実現するために、繰り返し再生し続ける、100%再生可能な原材料や生分解性のある原材料の導入
2.回収とリサイクル
従来は廃棄物と見なされていたあらゆるモ ノを、他の用途に活用することを前提とした生産・消費システムを構築する
3.製品寿命の延長
廃棄製品を回収し、修理やアップグレード、再製造、再販することによって製品を保守・改善することで新たな価値を付与し、可能な限り製品寿命を延長する
4.シェアリング・プラットフォーム
使用していない製品の貸し借り、共有、交換によって、消費者・企業・起業家に対して新たな事業機会の提供
5.サービスとしての製品
消費者はモノを必要な時にだけ借りて使い、利用した分だけのサー ビス料金を支払う
シェアリングエコノミーという言葉をよく耳にしますが、「シェアリング・プラットフォーム」に当てはまります。Airbnbやレンタサイクルなど、インターネット上で余っている資源を誰もが使用できるように有効活用することが、シェアリングエコノミーであり、サーキュラーエコノミーの一つのビジネスモデルになっています。
サーキュラーエコノミーのビジョン
サーキュラーエコノミーがどのようなものかは分かりましたが、今後どのようなビジョンを描いているのでしょうか?
2018年10月22・23日に横浜で開催された世界循環経済フォーラム(WCEF)では、WCEFが目指す、真のサーキュラーエコノミー2050年のビジョンが伝えられました。
(以下、サーキュラーエコノミージャパン記載内容を引用)
【天然資源と製造について】
1.製品は注意、寿命、および次のライフサイクルを念頭に置いて設計されている。 使用済み製品は、3Rアプローチ、アップサイクリング、アップグレードおよび修理によって価値を保持しつづける。
2.製造業や農業などの産業システムは、クローズドループとなり、不要な副生成物が出ない。 グローバルバリューチェーンは第4次産業革命を経て、デジタル技術と自動化によって最適化される。 私たちが知っているような廃棄物は、過去のものとなる。廃棄物は「原料とエネルギー」として認識されるようになる。
3.天然資源の限られた量を認識しており、経済は地球の限界に適応している。 投資は持続可能な事業に向けられている。
【輸送とサービスについて】
1.排出のない自動車でオンデマンドサービスを提供。アクセスが簡単で高品質な輸送、さらに利用しやすくなる。
2.ハイスピードコネクティビティとシームレスなデジタル通信で、所有の形ではないさまざまなサービスが利用できるようになる。
3.新たな素材と生化学が燃料効率の良い自動車、燃料、輸送インフラを可能にする。
【食糧と生活】
1.暮らしの場で再生エネルギーを生産し消費する生活。コミューンはトレンドではなく普通のライフスタイルとなる。
2.効率的な都市と農村のバイオサイクルのおかげで、すべての人々のための地産の食べ物が豊富にある。革新的な生産方法を取り、 土壌は自然な方法で肥沃にされる。
3.地域内で不要になった建設廃棄物は、リユース可能設計になっている。これらのコンクリート、アルミ、鉄の素材は低CO2排出型のクローズドループで生産されており、モジュラー式建築物に再利用される。
【プラスチック】
1.主要な消費行動として再利用の受け入れが広く受け入れられている。 プラスチックはライフサイクルの終わりにアップサイクリングされる。生産はバージン化石資源ではなくリサイクルされた原料から作られる。
2.バイオベースプラスチックのような持続可能な代替物の使用に移行。
3.私たちの海と陸地は、自然とプラスチック廃棄物がなく清潔な環境である。
【能力】
1.教育は、学習と再教育の生涯にわたる旅として理解されている。 社会は、人間のスキルと能力の価値を十分に認識している。 循環型経済は、個人所得だけでなく、より深い目的を持って雇用を創出する。
2.全職業とすべての人々のために、学校や他の教育機関が「もったいない精神」のような多様な知識と価値観の創造・拡大に注力している。
3.Peer to Peer、cross-disciplinary的学習方法が公的および民間セクターから支援されており、普通になっている。イノベーションとR&Dのための資金調達・支援の強化が、社会的能力を開発するための不可欠なアプローチである。
未来のために、今できることから始める
「使ったら捨てる」、「使えるものは再利用する」という考え方から、「どうやったらまた使えるか」というように循環型へ考え方をシフトしていく必要があると感じました。
未来のために今からできることは何か?
いい社会を作るために、世の中で何が起きているのか、そこに自分はどんなことができるか考えて、行動してみてはいかがでしょうか。
今こそが第一歩を踏み出す絶好のタイミングです。
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